天神の系譜の奇妙なオムニバス
外では、まだ花火が派手に上がっている。
波のように聞こえてくる歓声。
軽音楽部だろうか、軽妙な演奏と共に、生徒達が即興で踊っているのが暖簾の隙間から見えた。
「勅使河原、このリュートという男の家はな、ミルトゥワでは貴族や皇族同様の扱いを受ける事もあるデカい家柄だ。将軍の娘である貴様に引けを取る事はない。身分を気にして遠慮するほどの平民でもない」
「え…?」
ヴラドが何を言いたいのかはかりかね、小首を傾げる古奈美。
「リュート、グリフィノーは平民扱いとはいえ、只の一般人とは一線を画している事くらい、阿呆の貴様でも分かろう。世が世なら、貴様も王侯貴族だったという事だ」
「はあ?」
こちらもイマイチ分かりかねている様子のリュート。
「家柄としては、互い申し分なし」
ヴラドは箸を置く。
「グリフィノー家と勅使河原家、仲人は俺が務めてやろう」
波のように聞こえてくる歓声。
軽音楽部だろうか、軽妙な演奏と共に、生徒達が即興で踊っているのが暖簾の隙間から見えた。
「勅使河原、このリュートという男の家はな、ミルトゥワでは貴族や皇族同様の扱いを受ける事もあるデカい家柄だ。将軍の娘である貴様に引けを取る事はない。身分を気にして遠慮するほどの平民でもない」
「え…?」
ヴラドが何を言いたいのかはかりかね、小首を傾げる古奈美。
「リュート、グリフィノーは平民扱いとはいえ、只の一般人とは一線を画している事くらい、阿呆の貴様でも分かろう。世が世なら、貴様も王侯貴族だったという事だ」
「はあ?」
こちらもイマイチ分かりかねている様子のリュート。
「家柄としては、互い申し分なし」
ヴラドは箸を置く。
「グリフィノー家と勅使河原家、仲人は俺が務めてやろう」