天神の系譜の奇妙なオムニバス
「話にならんな」

代金を置き、ヴラドは立ち上がる。

「これだから思春期の小僧小娘は面倒臭い。傍から見ても好き合っているのが分かり切っているというのに、それでバレていないつもりか」

「す、好き合ってとかっ…」

「べ、別にそういうんじゃ…」

しどろもどろになるリュートと古奈美を見て、ヴラドは舌打ちする。

彼は徐にインバネスコートからスマホを取り出し。

「…花龍か、俺だ」

秘書の花龍に電話する。

「グリフィノー家とヒノモト政府双方に連絡。リュート・グリフィノーと勅使河原 古奈美が交際の意を示した。本日中に、2人が許婚の間柄になる事を了承したと伝えろ」

「「なぁあぁぁあぁあぁぁあっ?」」

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