天神の系譜の奇妙なオムニバス
日時も告げないまま、いつの間にか古奈美達はヒノモトに旅立っていた。

数日後にリュートが学生寮の古奈美の部屋を訪ねたが、既に留守だった。

学園にもいない。

仲間達の中で、リュートだけが取り残された気分だった。

「リュート君、分かってあげて下さい」

雪村がリュートの肩を叩く。

「古奈美殿にとって、リュート殿のみは特別なのですよ」

佐助も天井裏から声をかけるが。

「うるせぇよ」

振り向く事さえせず、リュートは教室から出て行く。

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