天神の系譜の奇妙なオムニバス

「戊辰大戦が終わって、幕府の代わりにヒノモト政府っちゅうのが出来たけんども…」

老婆はしげしげと客を見る。

「他所の惑星とも仲良うするようになって、珍しい格好した人も増えてきたねえ…お客さん、そりゃ舶来物の外套かね？いやいや、ヒノモトの人にしちゃあ随分と背が高いし…もしかしたら異国の人かいねぇ？」

「……」

気まずい雰囲気で、客は無言を貫く。

「ダン、だからアンタも変装しなさいって言ったでしょ！お婆ちゃんに怪しまれてるじゃない！（ヒソヒソ）」

「何故俺が人目を気にして変装などせねばならん。俺はいつでもこの格好だし、何処でも銃を撃つ（ヒソヒソ）」