天神の系譜の奇妙なオムニバス
『関所』を通って古奈美達が辿り着いた先は、ヒノモト・穢土城のあった地だった。

戊辰大戦の真っ只中、家臣によって関所から天神地区へと逃がされた古奈美。

戦争か終わった後も、関所はそのまま残っていた。

但し、穢土城は完全に崩壊し、瓦礫の山となっていたが…。

本来、穢土は『榎戸(えど)』と呼ばれていた。

しかし政府が設立されて以降、古き因習を長きに亘って引き摺ったという蔑称で穢れた地、『穢土』と呼ばれている。

その穢土から、東郷が武装蜂起した佐津間まで、古奈美達は徒歩で向かう。

何せ文明が発達していない惑星だ。

乗り物も、せいぜい船や馬くらい。

ましてや一度はヒノモトから落ち延びた身の古奈美だ。

あまり目立つ訳にもいかない。

そう考え、現地の市井の人々の着物を調達し、笠を被って極力顔を見せないようにしていたのだが…。

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