天神の系譜の奇妙なオムニバス
警察官達が、沖田を取り押さえようとする。

その時だった。

「待ちたまえ」

警察官達を掻き分け、1人の男性が姿を現す。

長身、立派な髭を蓄えた、仕立てのいいスーツ姿の壮年の男性。

まだ着物が主流であるこのヒノモトにあって、洋装は珍しかった。

「任務ご苦労だった、警察官諸君。彼らは取り押さえる必要はない。発見してくれればそれでいい」

「誰だ貴様」

ダンドリッジがギロリと睨むが。

「先生、失礼のないようお願いします」

古奈美が制した。

「この方は、今のヒノモトの頂点に立つ方…ヒノモト政府内務卿・大久保 理俊(おおくぼ みちとし)氏です」

言うなれば、内閣総理大臣。

国政を司るトップに立つ人物だ。

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