天神の系譜の奇妙なオムニバス
その時、雷が迸った。
雷は曇天の戦場と、天守閣に落ちる。
かたや、猛獣の如き猛々しさで。
かたや、神獣の如き雄々しさで。
…戦場に落ちた雷は、真紅の炎を纏って静かに佇む。
「仲間を傷つけようとする者を…」
その真紅の炎の化身は、金髪を風に揺らし、碧眼で士族達を見据える。
「レーヴァテインは許さない」
「な、何を貴様!」
抜刀し、一斉に斬りかかろうとする彼らを。
「ヴィゾーヴニル・キルド」
手にした炎の大剣で薙ぎ払う勇者、ティグル!
戦場を走った火柱は、ヒノモトの鈍ら刀ではとても止められるものではなく。
「何しに来た。これから俺の見せ場だというのに」
既にクライムとパニッシュメントで数十人の士族を撃ち倒したダンドリッジが、気に入らなげに言う。
「ティグル君だけ?」
ベルの言葉に。
「そういう訳じゃないんだけど…」
ティグルは頭を掻きながら、籠島城の方を見た。
「転移魔法陣でヒノモトの…しかも古奈美のいる場所に転移しろなんて無茶言われたから…1人だけ空間座標間違えたかなあ…」
雷は曇天の戦場と、天守閣に落ちる。
かたや、猛獣の如き猛々しさで。
かたや、神獣の如き雄々しさで。
…戦場に落ちた雷は、真紅の炎を纏って静かに佇む。
「仲間を傷つけようとする者を…」
その真紅の炎の化身は、金髪を風に揺らし、碧眼で士族達を見据える。
「レーヴァテインは許さない」
「な、何を貴様!」
抜刀し、一斉に斬りかかろうとする彼らを。
「ヴィゾーヴニル・キルド」
手にした炎の大剣で薙ぎ払う勇者、ティグル!
戦場を走った火柱は、ヒノモトの鈍ら刀ではとても止められるものではなく。
「何しに来た。これから俺の見せ場だというのに」
既にクライムとパニッシュメントで数十人の士族を撃ち倒したダンドリッジが、気に入らなげに言う。
「ティグル君だけ?」
ベルの言葉に。
「そういう訳じゃないんだけど…」
ティグルは頭を掻きながら、籠島城の方を見た。
「転移魔法陣でヒノモトの…しかも古奈美のいる場所に転移しろなんて無茶言われたから…1人だけ空間座標間違えたかなあ…」