天神の系譜の奇妙なオムニバス
「儂に挑む以上、敵である事は間違いないな…大久保の雇った暗殺者か?古奈美姫の臣下か?」

「お前のせいで古奈美が要らん苦労するから、ぶん殴りに来ただけだバーカ」

対峙する東郷とリュート。

「礼儀も口の利き方も弁えん奴だ」

東郷の槍の穂先が、幾つにも連なって見えるほどの突き!

リュートはグリフィノー拳闘術・風の型でこれを捌く。

風の精霊の助力を得ても、ようやく捌けるほどの突きの速さ。

捌きに気を取られていると。

「うっ!」

突然穂先が跳ね上がり、リュートの顔面を狙う。

転倒するほどに仰け反って回避する。

が、倒れれば狙い撃ちだ。

リュートはバック転して、体勢を崩す事なく回避に成功した。

東郷も止まる事はない。

下がるのならば詰め寄る。

詰め寄って再び突き!

右に左に躱したリュートは、槍の柄を摑み。

「オラァッ!」

強烈な肘打ちで槍をへし折ろうとする。

が!

「退屈なほどに読み通りの動きをする」

東郷は槍を摑んだリュートごと持ち上げ、彼を天守閣の天井に叩きつけた!

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