天神の系譜の奇妙なオムニバス
凄まじい激突音と共に、天井にめり込むリュートの体。

あまりの衝撃に、天井から埃が舞い落ちる。

東郷が槍を引くと。

「が…!」

リュートの体は落ち、畳の上に叩き付けられた。

何という剛力か。

人1人を持ち上げて軽々天井に叩き付けるとは。

「笑止。その程度の覚悟で、このヒノモトの動乱にしゃしゃり出るな、異国の小僧」

後始末とばかりに振り下ろされる槍の穂先。

だがこれを。

「!!」

倒れたまま、リュートは砕いた。

技ですらない普通の動作で。

「当たり前だろ」

激しく呼吸を乱しながら、リュートは言う。

「そもそも、敢えて素手で戦ってんだ…剣や槍を受け止めて折り砕くくらいできねぇと、やってられねっての」

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