天神の系譜の奇妙なオムニバス
「生意気を抜かす!」

構わず、東郷は穂先のない槍で、リュートの腹を打ち据えた!

「穂先がなくなったから殺せぬと思ったか?儂の技量がそのような浅いものと思うたか?」

「殺す殺すって…」

リュートは槍を摑みつつ、足を跳ね上げて東郷の顎を蹴り上げる!

「歌うように言うんじゃねぇや!」

どんな豪傑であろうと、顎は急所のひとつだ。

衝撃が脳にまで伝わり、一撃で意識を断ち切られる事がある。

無論、東郷ほどの男が一撃で倒れる事はないが。

しかし、確かに動きは止まった。

立ち上がるリュート。

両手に炎を纏わせ。

「グリフィノー拳闘術・炎の型!」

棒立ちの東郷の胴に、左右の連打を叩き込む!

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