天神の系譜の奇妙なオムニバス
それすらも。

「がは!」

東郷は槍の横薙ぎで、リュートを薙ぎ倒す事で凌ぐ。

またも畳に突っ伏すリュート。

倒れた拍子に、彼の血飛沫が飛び散る。

「…槍を折り、儂の動きを止めるか。小僧と思っていたが、一端の男(おのこ)には違いなし」

東郷はゆっくりと歩み寄ってくる。

「ならば元服の済んだ一廉の武士らしく、手心加えず仕留めよう」

「……」

大の字のままのリュート。

胸が上下している事で、息がある事は確認できる。

だが、動けない。

どうする?

効果的なダメージが与えられない。

まだまだ何発何十発と与えないと、あの男は沈まない。

しかし、長期戦になれば明らかに不利。

デカイのを1発見舞うか、短期間で数多くの攻撃を加えるか…。

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