天神の系譜の奇妙なオムニバス
「なぁ古奈美、そろそろ機嫌直しちゃくれねぇか?」

古奈美の横顔を覗き込むリュート。

その顔を。

「機嫌は悪くないですよ?」

逆に古奈美は覗き返した。

「私はリュート君の手を労わっているんです…この手が私を…この国を護ってくれました」

愛おしむように、優しくリュートの手を包み込む古奈美。

両手で手を握り、少し力を込めて。

「…許婚なら、構いませんよね?」

「あん?」

古奈美はリュートを引っ張る。

不意の事で、リュートの体が少し傾く。

古奈美が背伸びする。

コツンと、額がぶつかる。

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