天神の系譜の奇妙なオムニバス
「お返しするとも。拙者には無用の長物だしな。ただ…」

吸血鬼を睨み返す北斎。

「お主はこの拳銃を、どう使うつもりでござる?」

「無論撃つ。拳銃は武器だ。俺を害する者に撃ち、殺す」

吸血鬼は即答した。

と。

「何言ってんだコイツ」

ポカンと。

お龍が吸血鬼の頭を叩いた。

目の色が変わる吸血鬼。

北斎も思わず警戒するが。

「殺すとか言ったら駄目だろ。そんな脅し方しなくても、『ちょっとだけ血を飲ませてくれるか』って言えば、血は分けてやるよ」

…そういう話はしていないのだが。

話の概要を理解していないのか、聞いていなかったのか、お龍は満面の笑みを見せた。

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