天神の系譜の奇妙なオムニバス
「何故止める」

不服そうに言う闇夜。

「…子供達の前でござる」

北斎は立ち上がり、闇夜の顔を見た。

「戦や修羅場など知らぬ子供達の前で、人死になど見せたくはない」

そう言って納刀する北斎に。

「笑わせる」

返したのはヴラドだった。

「戦や修羅場など知らぬのは、子供達だけだろう。貴様は知っていよう、北斎」

「……」

「何ならそんな隠し名ではなく、本名を言ってやろうか?」

ヴラドの口角がつり上がった。

「河上 雀斎(かわかみ じゃくさい)」

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