天神の系譜の奇妙なオムニバス
饒舌に語り続けるヴラドに。

「うるさいっ!」

怒鳴ったのはお龍だった。

「北斎先生を悪く言うな!」

お龍は同様に、北斎をも睨む。

「北斎先生もだよ!戦争で、斬りたくもない人を仕方なく斬ったんだろ?そんなのが分からないほど、私は子供じゃないやい!」

「お龍…」

呟く北斎。

…北斎は、お龍達に読み書きだけを教え続けていた。

しかし、彼女達に伝わっていたのは、どうやら読み書きだけではなかったようだ。

天神学園に脈々と培われてきた『芯』が、この時代には既にあった。

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