天神の系譜の奇妙なオムニバス
その天神学園の一室。

学園の校庭を一望できる学園長室。

「学園長」

秘書の花龍(ファロン)・ツェペリが言う。

「お客様がお見えになりました」

「……」

その言葉に、長身、インバネスコートを着た男は肩越しに花龍を見た。

「追い返せ」

えぇええぇえぇ?

「ちょい待てゴルァッ!」

入室の許可を待たず、赤い鉢巻き、白い空手着の青年が部屋のドアを蹴破って入ってきた。

リュート・グリフィノーだ。

「こっちゃ遠路遥々ミルトゥワから、転移魔法陣使って来てやったってのに、会いもしねぇで追い返せってのはどういう了見だ!」

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