天神の系譜の奇妙なオムニバス
顔を洗ってシャキッとして戻ってくると、朝食の準備が整っていた。

ご飯、味噌汁、焼鮭、おひたし。

「ミルトゥワの朝食って、パンだったでしょうか…?…ヒノモトはお米が主食なので…もし口に合わなかったら、急いでパンを準備して…」

不安そうに言う古奈美。

「いい!いい!米大好き!頂きます!」

茶碗を手に取るなり、物凄い勢いで掻き込むリュート。

こういう純和風な朝食が作れる子は、いい嫁さんになるという理事長の勝手な思い込み。

一心不乱に食べ続けるリュートを。

「……」

しゃもじで口元を隠しつつ、古奈美ははにかむ。

「あの、古奈美」

リュートはズイと茶碗を差し出した。

「おかわり、いいか?」

「はい、あなた」

不意に口にした古奈美の一言に、リュートは味噌汁を噴いた。

幸せな朝。

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