天神の系譜の奇妙なオムニバス
試合開始から数分。

早くも数十名の脱落者が出る。

数百名の猛者が、一斉に競り合うという状況なのだ。

下手を打てば数秒で敗北という事も十分にあり得る。

「よしよし、ダンは残ってるわね」

アマリリスから借りた双眼鏡を覗き込みながら、ベルが言う。

「古奈美ちゃんも見る?」

隣に立つ古奈美に勧めるが。

「わ、私はいいです…」

彼女は手を振って遠慮した。

「ベルさんは、よく平気ですね…ダンドリッジ先生の事、心配じゃないんですか?」

「…そこらへんは、『龍の花嫁の覚悟』かな」

ベルは古奈美の質問に答えた。

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