天神の系譜の奇妙なオムニバス
屋内では、行動範囲も限られる。

やがて、掠め始める二刀使いの刃。

「逃げ切れるものではない」

刃にばかり気を取られるリュートの腹に、二刀使いの後ろ回し蹴り!

吹き飛ばされ、壁に叩き付けられるリュート。

「微塵にさせてもらう」

二刀を大きく構え、二刀使いは突進してくる!

二刀を交差させるように、或いは×印を描くように、斬撃を放つ!

「っっっ!」

リュートの胸板に刻まれる、大きな刀傷。

しかし。

(手応えが硬い…!)

二刀使いはすぐに気付いた。

リュートは道着の下に、精霊フラウの力で鎧代わりの氷を纏っていた。

それでも氷は砕かれ、刃は幾分リュートの体を傷つけたが。

そして。

「二刀を交差させた分、次の攻撃に移るまでに時間がかかるよな!」

< 666 / 770 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop