天神の系譜の奇妙なオムニバス

決まったのは佐助の居合斬り！

刃は逆袈裟斬りとなって沖田の脇腹を捉え、上空へと跳ね上げるほどの威力！　

沖田が自由落下で地面に叩き付けられた後も、佐助は居合直後の姿勢を崩さぬままだった。

その後、静かに毒狼を鞘に納める。

「手応えあった…」

呟く佐助。

倒れた沖田の脇腹から、血が流れる。

居合に向かない毒狼の為に、沖田の体は両断される事なく、上空へと跳ね上げられた。

「故に俺の傷も、致命傷には至らなかったか」

見れば佐助の脇腹にも、大典太による刀傷が刻まれていた。

沖田の居合が完全に決まる前に上空に跳ね上げられた為、この程度の傷で済んだのだ。

「み…見事ですね…」

地面を這いずりながら、沖田は何とか立ち上がろうとする。

毒狼の斬撃の威力による、肋骨の骨折。

加えて麻痺性の毒による痺れも看過できない。