天神の系譜の奇妙なオムニバス
どこからか、引き摺るような音が聞こえてくる。

「やれやれ…次のお客さんか…」

投げ捨てていたレーヴァテインを拾い上げ、ティグルは溜息をついた。

「この大会って、選手にはあと何人の敵が残っているか分からないんだよね…魔力を持っていない参加者もいるから、魔力感知だけじゃ正確じゃないし…あと5人くらいかなあ…」

独り言を呟くティグルの前に、人影が現れた。

右手に3人、左手に2人。

全部で5人の修道服姿の男を引き摺っている、インバネスコートの男。

「うん、ダンドリッジが生き残ってるのは知ってたよ。魔力が感知できたからね。あと何人くらい?」

「俺1人だ」

ダンドリッジは男達を投げ捨てた。

「異端審問官だそうだ。我々の星で言う、魔女狩りのようなものか」

「うわ、時代遅れ~…まだそんな古臭い差別とかする奴いるんだね。カッコ悪っ」

蔑みの目で見るティグル。

「で…そいつらの代償に随分手傷を負ったみたいだね」

「別に。大した事はない」

「嘘だよ」

ティグルはダンドリッジに指摘する。

「ダンピールにだって、再生能力はあるでしょ?何でそんな酷い傷を再生させないの?銃創で穴だらけじゃん」

「……」

「まぁ、いいけどね」

レーヴァテインを構えるティグル。

「やろうか、決勝戦だ」

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