天神の系譜の奇妙なオムニバス
炎の巨樹が、横倒れに倒れてくる!

醜悪な砲が、世迷どもの呻き声のような音を立てて発射される!

激突する、この世ならざるもの。

「きゃあぁぁああっっ!」

上空を飛行していたアマリリス達の乗る飛行船が、その衝撃波で大きく揺さぶられた。

警報(アラート)が鳴り響き、操舵士が必死で機体の挙動を安定させる。

上空でこれなのだ。

地上は言わずもがな。

まだ木造家屋が多い穢土の城下町は、舐め尽くすような炎と爆発で全壊した。

ミルトゥワの精霊術使いの協力を得て、事前に結界を張ってあった観客席は、辛うじてその余波を受けずに全員無事。

これは損害賠償が大変な事になりそうだ。

寧ろ、よく被害が穢土全域だけで済んだと。

そう思えるほどの威力。

自然災害が、2つ同時に発生した。

そんな印象だった。

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