天神の系譜の奇妙なオムニバス
「では、何故リュー君は精霊乖離症に罹ったんですか?精霊達はリュー君の事も大好きなのに、何故?」

理解できない様子で女王に問い掛ける蒲公英。

《親愛の情を持っているからこそです》

女王は返答する。

《雷の精霊トールディの女王は、リュートの召喚に上手く応じられなかった事を酷く悔いています。召喚に失敗し、力が暴発し、結果リュートを死なせかけてしまった。愛する者を死なせてしまいそうになる恐ろしさは、あなた方にも理解できるでしょう》

「……」

女王の言葉に、アマリリスが押し黙る。

《リュートには親愛の情を持っている。喚びかけには応じたい。しかし無茶な召喚は、リュートを死に至らしめる事になる。ならば召喚には応じる事は出来ない。遠く見守るのみ…精霊達はそういう判断を下したのです。私も同様です》

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