天神の系譜の奇妙なオムニバス
「精霊乖離症ですか?」

突然、リュートの背後から声がした。

そこに立っていたのは、見た所、初等部くらいの少年。

柔らかそうな栗色の短髪、黒縁の丸眼鏡。

紋章のワッペンが付けられた紺色のコートを羽織っている。

「周囲に精霊はいっぱいいますから、リュートさんに協力したいのは山々なんでしょうけどね」

「あら、可愛い子♪」

古奈美が頬を緩ませる。

「坊主、俺の事知ってんのか?」

リュートが少年の顔を見る。

「はい」

少年もまた、リュートを見ながら頷いた。

「ヒノモト内務卿杯武道大会に出場された、リュート・グリフィノーさんですよね?とても強い人だって、クラスメイトの音露 凛(おとつゆ りん)から聞いてます」

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