天神の系譜の奇妙なオムニバス
ヴラドはチョーク片手に黒板に書き殴る。

「対魔力だ」

つまり魔術への耐性。

魔術への防御策だ。

めっちゃ生徒達の身の安全を顧みている。

「最初から難易度を上げても、生徒どもには難しいだろうからな。敢えて基本から教えてやる。敬って諂え」

生徒思いのヴラドである。

「学園長、質問があります」

挙手するルカ。

「対魔力って、どんな魔術でも防げるんですか?」

「ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。Bランクなら三節以下の詠唱の魔法を無効化でき、大魔術を以てしても傷付けるのは難しい」

ヴラドはスラスラと答えた。

「更に『魔力放出』は魔力を自身の武器や肉体に帯びさせる事で強化する。ランクAではただの棒切れでも絶大な威力を有する武器となる。対魔力と魔力放出を覚える事で、まずは魔術師との戦闘は可能になる」

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