天神の系譜の奇妙なオムニバス
「学園長」

頬杖つきながら聞いていた凛が挙手する。

「そんな基本的な魔術やガンドは私使えます。もっと凄いの教えて下さい」

「ほう。ガンドも習得済みか」

ヴラドは口角を上げた。

ガンドはルーン魔術に含まれる、北欧に伝わる呪詛のひとつ。

もっとも単純な魔術だが、その汎用性は高い。

対象を視界に納めて狙う事から、ガンド撃ち、とも呼ばれる。

対象の身体活動を低下させる間接的な『呪い』で、呪いたい相手を指差す事で体調不良や、病状悪化などを引き起こす。

最適化されたものは『指差す』だけで対象の体調を悪化させる。

人を指差すのは失礼、というのはこの呪いに由来するのだとか。

ガンド撃ちには『フィンの一撃』という最奥の秘術が存在する。

こちらは病など生易しいものではなく、受けた相手の心臓を停止させたり、直接的なダメージを与えるまでに及ぶ。

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