天神の系譜の奇妙なオムニバス
そんな事を話していると。

「リプニーおばあちゃん!」

突然ノックもなくティグルが入室してきて、アマリリスは思わず立ち上がってしまうほどに驚いた。

「あらティグル君。今アマリリスさんとティータイムなんです。一緒にどうですか?」

「おばあちゃんごめん、それはまた今度」

早口でまくし立てたかと思ったら。

「いた!アマリリス!」

ティグルはいきなりアマリリスにハグした。

正面から、それはもう、ギューッと。

普段アマリリスが傍から見ていた、リュートに対するそれだ。

その時は、おのれリュートの奴めぐぬぬ、とか思っていたのだが。

「ちょ、ちょっとティグル様っ」

思わずティグルの胸を押して、引き剥がすアマリリス。

「……引き剥がされた…」

ティグルがあからさまにショボンとする。

「あぁぁあぁ、あのティグル様、別に嫌だった訳ではなくてですねっ」

アマリリス狼狽。

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