天神の系譜の奇妙なオムニバス
「はぁ…」

皇都。

西の離宮から少し足を伸ばし、アマリリスは街中を歩く。

まだ火照った頬が熱い。

そりゃあね、彼女とて幼少の折からティグルに憧憬の念、いや思慕の情、いや欲情気味の感情を持て余していた身だ。

チューどころか、もっと凄い妄想を繰り広げていた事もある。

何せ野菊妃殿下に憧れているハレンチ族の身だから。

だが、彼女はオマセなのはともかく、まだティグルやリュートよりも歳若い乙女なのだ。

乙女なのだ(強調)

誓っていかがわしい行為などはした事がない。

純粋なのだ、ピュア、天然水100パーセント。

チューなどされれば、動揺するのは当然の事であろう。

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