天神の系譜の奇妙なオムニバス
封印管理という言葉がある。

魔道協会が判断した、希少能力を持つ魔術師に与えられるもの。

その奇跡とも言える希少能力を永遠に保存する為に、対象の魔術師を『貴重品』として優遇し、『保護』する。

しかしそれは名目に過ぎず、実際は一生涯幽閉し、その能力が維持された状態で保存する。

言ってしまえば、ホルマリン漬けの標本にして飾るのと変わらない。

要するに、協会自身が封印するという事。

それは最早人間扱いではない。

凛は、協会からその封印管理を受けた。

理由は、『完璧な人体を作ってしまった為』。

それは人造人間ホムンクルスというレベルのものではなく、まさしく『人間そのもの』。

神へと至る道を、一魔術師が実現してしまった。

これが奇跡とも言える希少能力でなくて何か。

故に、協会は彼女を標本として管理したいのだ。

< 754 / 770 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop