天神の系譜の奇妙なオムニバス
「ぬかせ」

リュートの言葉に口を挟んだのはダンドリッジだった。

「ツェペリ家の家系でありながら、俺の力を恐れるが故に放逐された…俺はヴラド・ツェペリに向けた牙を引っ込めるつもりはない」

「それが、お前が学園長を狙う理由な訳か」

リュートは踵を返す。

「よっしゃ、雪村。学生寮に案内してくれ」

「は?はぁ…」

間の抜けた返事を返す雪村。

リュートは言う。

「大丈夫だろ。あの魔王みてぇな学園長なら、ダンドリッジが牙剥いたって殺されたりはしねぇよ。思う存分狙えばいいんじゃね?」

「え、し、しかしリュート君!それでは学園長が…」

雪村が狼狽するが…。

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