魔法学校、パティシエ部っ!
プロローグ〜「はじまり」と「おわり」〜
あぁ、またいつもの夢だ。
と、私は思った。
見慣れない場所の1角に、私は見知らぬ男性とふたりきり。
何も知らないのに、懐かしい…
愛おしく、そして切なく感じる夢。
意識の奥底で芽生えた思いが、夢の中に溶けてゆく。
「ねぇ、あなたは本当に幸せだったかしら?」
ケーキの甘い香りが染み付いた『自分』の手を、そっと彼の頬に添える。
「…は、当たり前でしょう!?」
顔を涙で歪ませながら、切羽詰まったような彼を見ていると、彼との出会いの日がこないだのように頭に浮かぶ。
たくさんの楽しかった思い出が頭の中を駆け巡った。
あぁ、死ぬってこういう事なんだ…。
なんて思いながらも、彼の焦りを見て、心配されてるんだなぁ、と嬉しい気持ちの方が強かった。
「ふふ。ありがと、ゴッゴホ、ゴホッ」
口の中が血の味がする…。
口から血が、ポタポタと垂れ服を赤く染める。
「お願い、もう喋んないで…よ。」
と、私は思った。
見慣れない場所の1角に、私は見知らぬ男性とふたりきり。
何も知らないのに、懐かしい…
愛おしく、そして切なく感じる夢。
意識の奥底で芽生えた思いが、夢の中に溶けてゆく。
「ねぇ、あなたは本当に幸せだったかしら?」
ケーキの甘い香りが染み付いた『自分』の手を、そっと彼の頬に添える。
「…は、当たり前でしょう!?」
顔を涙で歪ませながら、切羽詰まったような彼を見ていると、彼との出会いの日がこないだのように頭に浮かぶ。
たくさんの楽しかった思い出が頭の中を駆け巡った。
あぁ、死ぬってこういう事なんだ…。
なんて思いながらも、彼の焦りを見て、心配されてるんだなぁ、と嬉しい気持ちの方が強かった。
「ふふ。ありがと、ゴッゴホ、ゴホッ」
口の中が血の味がする…。
口から血が、ポタポタと垂れ服を赤く染める。
「お願い、もう喋んないで…よ。」