【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「チッ、使えねぇ……」
電話をぶちぎり、相馬はそう言うと、怒り顔から一転、私の頬を優しくなで、顔を覗き込んでくる。
「まだ、大丈夫だな……」
これは、”安堵“のため息。
「平気よ。何のために、契約したと思ってるの?私が、あんたにあんなことをさせといて……死ねるわけ、ないでしょう?」
この人は、後悔する。
遠くない、未来で……きっと。
私を抱いたことを、後悔する。
なら、今だけでも。
今だけでも……
「沙耶?」
この人のそばにいたい。
私は自分の左腕を右手で掴んで、顔を上げた。
そして、さっきの甲斐とした会話の内容を話す。
その間、私の右手はアザができるくらいの力で、左腕を握りしめていた。