【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
(今は、どこにいるんだか……)
空を見上げると、父さんの言葉が蘇る。
『空は繋がってる。どこにいたって、同じ空を僕らは見上げているんや。やから、寂しゅうなったら、空を見上げ。僕も、ちゃーんと、見上げるからな』
『……滅茶苦茶な、持論だよな。それ』
幼い私に、父さんが言った言葉。
それを横で苦笑しながら聞いていた、朝陽。
大抵、そのあとは私たちを呼ぶ、アイラとお母さんの声が聞こえて。
私は、お母さんに抱きつく。
……かつて、この町ですんでいたときの幸せな記憶。