【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
(わざわざ、遠くに離れる必要はあるのか?)
いくら、一時間半しか、沙耶の街までかからないとしても、急なときは困る。
たった、一時間半。
されど、一時間半。
何度も、自分に問うている。
沙耶も一年後には、自分の夢へ進むだろう。
それは分かっているし、俺に止める権利はない。
けど、そばにいてほしい。
そんな願いは、どうすれば良いだろうか?
そばにいてくれと頼めば、彼女は、そばにいてくれるだろう。
沙耶はそういう女だから。
なんだかんだ言って、優しい女だから。
だけど、それでいいのか?