【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「んっ……」
手放したくない。
「……っ……!!」
この腕の中に、ずっと閉じ込めてしまえたら。
「んぅ……ぁ、そう、ま……どうしたの?」
苦しそうに、けど、頬は赤らめて、問われる。
何て、答えよう。
そう思っていると、大きい音と共に、夜空に大きな花が咲いた。
「さっきから、様子が本当に変だよ?帰る?」
それを見上げながらも、俺を気遣う彼女。
「いや、花火が……」
「そんなものより、相馬のからだの方が大事」
即答で返してきた沙耶は、当たり前のように手に触れてくる。握られて、握り返すと、彼女は笑って言った。