【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「――……いるよ」
繰り返される、彼女からの贈り物。
「私がどこにいようが、何していようが、私は相馬の味方だよ?」
愛しくて、愛しくて。
心から欲する娘に自分は何を望んでいるのか。
腕の中にいるはずなのに、悲しくなるのは、虚しくなるのは……
(ああ、そうか……)
俺は、沙耶の身体が欲しいんじゃない。
それらを、すべて含めた心が欲しいのだ。
「……相馬?」
何度、キスしても、彼女は怒らない。
すべてを託してくれている、この俺に。
「……ごめんな……」
呟いた言葉は、弱々しかった。
彼女の前では、弱くなってしまう俺。
「うん?何が?」
この笑顔を見れば、何もかもがどうでもよくなる。
もし、時間を戻せるならば。
治療のためとか言って、沙耶に触れた、あの頃の愚かな俺に言って欲しい。
馬鹿な真似はするな、と。
後で後悔する、と。