【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「お前が笑うなら、いくらでも奢る」
その言葉、後悔させねば。
妙なやる気が、急に沸いてきた。
「めちゃくちゃ、食べるよ?」
「知ってる」
「笑ってたら、おごってくれんの?」
「ああ」
相馬は優しい表情で、私の頭を撫で続けた。
温かくて、優しい手。
「じゃ、笑ってよーと」
ニッと、口の端をあげた。
笑うのは、得意だ。
泣くよりも楽にできる。
「御園家だから、ご飯凄いんだろうな~」
「お前、本当に好きだよな。食べるの」
「美味しいものは好きだよ!元気が出るし!」
「そーかよ」
こんな笑いあう時間。
短くても、良かった。
どんな理由でも側にいられれば、
それで良かった。