【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ふふ、そうか。そう言ってもらえると、嬉しい。いっぱい食べてな、沙耶」
「はい!ありがとうございます!いたただきます!」
私を可愛がってくれる存在。
相馬と付き合うようになってから、私を大事にしてくれる人が、気にかけてくれる人が、増えていっている気がする。
本当はいけないことで、傷つけないために、自分が傷つかないために相手の子と突き放すべきだと分かっている。
少なくとも、特定の人間以外は今まで、そうしてきた。
けど、治療を言う名で相馬に抱かれたあの日から、妙に人が恋しい。
人の温かさを知ってしまったせいだというのは理解しているけど……
色々なことを考えながら、箸を動かす。
周囲では、皆が楽しそうに騒いでいる。
けど、あの日から、そこに交わる勇気が、私にはなかった。