【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ねぇ、沙耶~」
その、正反対の双子の様子が面白くて、見ていると。
甘い声で水樹が、側によってくる。
水樹のことが好きな女の子がここにいたら、全員、卒倒ものである。
「おま……っ!」
いつもの絡みなのか、相馬が焦るけど、別に私としては相手にしても構わないので、「なに?」と、返事した。
「兄さんのこと、どう思います?」
「え、相馬?」
すると、まさかの質問。
「あ、そこら辺、俺も聞きたい」
「僕も」
「失礼して、俺も……」
そこに、水樹達の伯父(叔父)である、陽希さん、陽向さん、総司さんも集結。
集会みたいになるなかで、彼らはなにか言っている相馬を押さえつけ、私に先を促した。
「やっぱり、女たらし?」
「うーん……?そうだなぁ……」
ここまで囲まれては、酷いことを言えないと思った。
だが、オブラートに包む方法を、私は知らない。
そんなとき、水樹が言った。
「兄さんね、この頃女遊びしないんだよ~」
勿論、これに驚いたのは、私だけではない。
「マジかよ!」
「漸く……」
「間違ってない。それが、相手にも良い方法だ」
陽希さん、陽向さん、総司さんの順で発す。
信じている彼らのなかで、私はどうしても信じられるず、
「まさか~相馬だよ?遊んでるよ~」
と、言ってしまう。
単純に、自分が信じたくないだけかもしれないのに。
「ほんとだって!好きな子いるんだもんね、兄さん!」
確認するように相馬の方を向き、相馬がそっぽを向いたことで、それは確証する。