【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「やほー、京子。久しぶり」


ニッコリ笑った、見知った笑顔。


「なんで、いる……っ!?」


仕事だと聞いたのに、行った先にいたのは、まさかの悠兄。


「んー、京子に会いに来たら、通してくれた」


ニカッと、笑う、齢29の男。


「……」


自由人。


なんて、自由人。


「……仕事もね、やめてきちゃったんだ」


「はぁ……!?」


「聞いてない?やることって、それ」


仕事をやめるために、都内に行った?



……馬鹿にも、程があるだろう。



「ってことで、京子、これからよろしく」


……誰か、こいつを止めてくれ。


言い難い感情が、体のなかを渦巻く。


「頭痛くなってきた……」


想像なんてしていなかった、再会。


弱味をたっぷり見せているぶん、逆らえなくて。


「はぁ……」


京子は頭を抱えて、ため息をついた。


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