【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「柚香、ゆっくりしてていいよ」


「う、うん……」


私は今、自分の置かれている状況が理解できなかった。



「初めまして、甲斐の妻の紗夜華です」


「じゃあ、姉さんのノリにのって……どうも。紗夜華姉さんの兄嫁の澪です」


見知った澪と、初めてお会いした沙耶とは違うタイプの美人さんに戸惑っていると、背後から笑い声が聞こえた。


「一度、会っているのでしょう?」


「会っているけど……話す機会がなかったんですよ。ねぇ、柚香さん」


「はあ……えっと、その……」


「ふふっ、普通に名乗ればいいのよ?」


現れた、首になぜかマフラーを巻いている、美しい人はクスクスと笑う。

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