【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



それにしても、雪女なのか……。天狗かと思った。


そう考えると、千歳たちには雪女、天狗、人間の血が入っているのか……すごい家だな。


うん、と一人で納得し、私は頭を下げた。


「えっと、月島柚香ともうします。千歳さんの友人で……お邪魔しています」


沙耶みたいにそつのない挨拶はできないが、不手際もなかったと思う。


なのに、紗夜華さんと氷雪さんは声をあげた。


「えっ、友人!?」


「付き合ってないの?」


……なんとも、残念そうに。


「……付き合ってませんよ。勝手に飛躍するの、やめてもらえますか?母上、義姉上」


そんなときに襖を開け、現れたのは、千歳と甲斐さんと相模さんと……


「誰?」


率直な意見が、口から漏れる。


「あら、あなた。帰ってきたの?」


「ん、ああ。雪さんに呼び出されて……参ったよ」


それと、ほぼ同時に立ち上がった氷雪さんは、見たことない男性に歩み寄る。


そして、紹介してくれた。


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