【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ふざけていると思わない?勝手に捨てておいて、金がないから、貸せだって。嫌だって言ったら、毎日、誰かにつけられているし……正直、千歳が誘ってくれて、助かった」
最近、元気がなさそうだった柚香。
なんか、気になってしまい、京都までつれてきたが。
「本当、面倒な親を持った」
柚香は膝を立て、ため息をつく。
「ここにいるのは、構わないよ。でもさ、夏休みが終わったからって、柚香のお母さんは諦めるの?」
「どーだろ。まぁ、夏休みの間でも、匿ってもらえたら助かる」
「……相変わらず、自分のことにはズボラだな」
「ははは……」
怪我しても、まず、人の怪我の治療。
自分のことは後回しにし、面倒になったら、放置。
前世から変わらない、雑っぷり。
「昔は、沙耶が……今は、千歳が、私を助けてくれる。良い友人を持ったよね。私」
柚香の髪型がショートの理由。
それも、シャンプーとかで、お金がかかるかららしい。
こんな倹約家な女子高生は、初めて見る。
なんてったって、昔から金遣いの荒い人間しか見たことがないから。