【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
誰かに安心したら、私は甘えてしまう。
分かっていたから、厳しくした。
他人に安心することがないように、頑張った。
けど、相馬は。
相馬は、私を安心させる。
傍にいるだけで、においや感触だけで、ホッとしてしまう。
心地よく、感じてしまう。
それが、前世の影響ではないとわかっていた。
“私自身”の感情だって、分かってた。
相馬は、危険だと知ってた。
だって、彼は、私の心をこじ開ける。
その言葉で、
動作で、
優しさで。
逆らえなくなっていく、彼の言葉に。
それでも逆らわなくては、私が弱くなっていく。