【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


そう、殺されなくても、いつかは止まる。


誰よりも早く、私の呼吸は、心臓は止まるのだ。


余命、なんて、知らない。


けど、宣告された年齢は、20歳。


あと、2年。


(……怖くなっていく)


一人で当たり前。


そんな、お留守番。


誰もいない、家の中。


一人で夜を明かすなんて、幼い頃からの習慣で。


慣れている。


なのに、怖い。


刻まれる、時が。


部屋に鳴り響く、時計の針の音が。


携帯のスケジュールを開く度に、無意識に見てしまう、十年後のページとか。


私は、いつまで、呼吸ができる?


今、寝てしまって、朝、起きられるのかな?とか。


変なことばかり、相馬に出逢ってから考える。


相馬が、生きる力をくれた。


身体は、だいぶ、楽になったはずだった。


それでも。


たまに起こる、発作は辛くて。


苦しいときに、苦しいって言わないのは、苦しんでいる姿を見せるのが嫌だから。


早く明けて欲しい、長い夜。


このまま、永遠に続いてほしい、長い夜。


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