【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
雪さんに問われて、気づいた。
私には、なにもないということに。
別にショックとかではなくて、命を無駄にすることにたいして怒られて、怖かったとかでもなくて、ただ、ふと、思った。
私は、何に復讐しようとしているのか、と。
自分自身?
……そんなの、当たり前。
真っ暗な穴に、いきなり突き落とされたような感覚は、私を追い詰めた。
馬鹿みたいに、久しぶりに感じていた心からの幸せに浮かれ、呑み込まれ、忘れていた自分の罪と闇。
純粋だった頃の私には、もう、戻れない。