【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……っ、わかっ……た……」
苦渋の策だとでも、言うように。
彼は、顔を歪ませる。
ごめんなさい、ごめんなさい。
そんな顔を、してほしい訳じゃないの。
「話すから……だから、もう、泣くな」
私の涙を拭ってくれる貴方は、私の代わりに何を背負っているの?
「でも、これだけは覚えとけ。どんな前世だったとしても、俺のお前への気持ちは変わらねぇから」
「……う、んっ……」
私の存在。
沙耶を襲った、人。
やけに私を守ろうとする、幼馴染みたち。
何か、私がしているのなら。
全てを、償おう。
終わらせよう。
―そう、思った。
でも、もう、手遅れだったのかもしれない。