【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


そんな瞬さんの隣に座っていたのは、彼の姉であり、幼等部の校長である、瀬戸舞。


彼女は黒髪で、瞳は碧玉。齢、33。


一人娘の明(あき)は、そんな彼女の隣に座り、齢、15という、俺たちとそう変わらない年頃で、やっぱり、黒髪の碧玉だった。


肩を基準に綺麗に揃えられた黒髪は、彼女の真面目な性格を、よく表していると思う。


本当に、目を見開くくらいに生真面目で、サボるということを知らない明。


武芸もある時間全てを惜しまず注ぐような、人間である。


面に、あまり感情を出さない彼女は、かつて、父親から身体的暴力を受けており、常に無表情だ。


舞さんもまた、身体的暴力を受けた人で、そもそも、身体的暴力を受けて、明を授かった人である。


だからといって、明を愛さない訳じゃない。


深く愛し、明には惜しみ無い愛情を注いでいる。

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