【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ありがとうございます」
沙耶は、そんな舞さんに微笑む。
「怪我がなくて、良かったよ。なぁ、瞬さん」
そう言ったのは、小等部校長、御園総司。
「ああ。……京さんの時のようにならなくて、本当に……」
京さんを慕っていた瞬さんは、苦しそうに顔を歪める。
「沙耶、久しぶり」
「あ、総司さん、お久しぶりです」
さっきと同じように、頭を下げ、挨拶しようとした沙耶は、血が引いたのか、膝を折った。
「うおっ……」
すかさず、腰に手を回し、自分の方に抱き寄せると。
「ごめっ……はぁ……」
軽く、息を乱し、彼女は振り返る。
「苦しいか?」
「ん。ちょっと、ね……なんでだろ……急に……」
発作を起こしているのだろうか。
だが、最悪だ。
呼吸器がここには、ない。