【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……ふふっ、大丈夫、だよ?……っ、これくらいなら……寝てれば、治るから」
喉に手を這わせ、息を整える沙耶。
俺は総司の隣に腰を下ろし、沙耶を抱き抱えた。
「……じゃあ、寝ろ」
「……嫌」
「苦しいか?」
「ん」
さらりと、髪をあげてやれば、彼女の体温が伝わってくる。
(……微熱、か)
「ごめんね……」
死にたくない。
発作のまま、眠るということは、沙耶にとって、恐怖なのだろう。
苦しさで、意識を飛ばすならまだしも、自分から眠ることができないらしい。
眠っている間に、息が止まらないか。
次、ちゃんと、目覚められるのか。
それが、沙耶にとっての大きな不安だ。